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「今度生まれたら」「終わった人」(内館牧子作)で泣いた

内館牧子原作「今度生まれたら」の最終回を見た。

先月5月8日からNHK-BSプレミアムで午後10時から放送していた全7回のテレビドラマ

定年退職後の夫とそれを支えてきた妻という典型的な昭和世代の家庭がモチーフ

松坂慶子演じる妻は、自分の好きな道を犠牲にしながら専業主婦人生を歩んできた。

そんな自分を見つめな直す。

やり直しのきかない年齢になって、それでも今をどう生きるかを考え始める妻に、風間杜夫演じる夫は離縁を告げる。

妻は、周囲のことばかり気にして、自分に正直になれなかった自分、夫の過去の過ちを許せず、かと言ってそれを胸にしまい込んで表現してこなかった自分を反省する。

最終回では、

家出先の長男宅で「お前の作ったラッキョウが食べたいんだよ」

と妻に言い出す夫

そこで鳥鍋料理を仲良く作り始める2人

 

その光景が嬉しくて、切なくて、涙が溢れて止まらなかった。

 

 

少し前、小説「終わった人」(内館牧子作)を読んだ。

夫は、東大法学部卒のエリートバンカーだった。しかし、銀行内の派閥争いに巻き込まれて子会社に左遷される。

そして、そのまま定年を迎える。

退職後は、夫が事業に失敗し退職金を失う。

美容師として新しい道を歩み始めた妻は生き生きとしている。

そのような中、「離婚」ではなく「卒婚」を選択する妻

そして、東京から一人、地元盛岡に帰る夫

その日、妻は駅に見送りにも来ない。

 

ところが、新幹線に乗る夫の携帯電話に妻から電話が入る。

「一本後の「はやぶさ」に乗った、盛岡の改札で待っていて。夫が単身お世話になるのだから姑にきちっと挨拶しておきたい」と妻が言う。

澄んだ青空の下、岩手山を背景に開運橋に立ち微笑んで北上川を眺める二人

 

何とも嬉しいような、悲しいような、どうしようもなく切ないこの感覚

ここでも僕は、ぽろぽろと涙を流した。

心が離れてしまったと思っていた妻の、夫を気遣う気持ちが嬉しくて、切なくて、こらえきれずもらい泣きした。

今、そのことをブログに書いているこの瞬間も、鼻の奥の方が痛くなる。

 

もしかしたら、この”夫達”に僕自身を重ね合わせていたのかもしれない。

 

↓ 築地で買った小ぶりの鮑です。