いつも笑顔でいい顔で

毎日を楽しく笑って過ごしたい

みんな褒められて伸びるんだね

あれは、昭和60年頃のこと

就職して数年経った時期

仕事を終え、先輩・同僚が夜の街に繰り出す中、

僕はその誘いを断り、翌日の予算折衝資料を徹夜して仕上げたことがあった

結果、折衝はスムーズで、まずまずの成果があげられた

当日同席した当時の上司(課長補佐)から

「緻密な資料作りとスムーズな折衝で相手を満足させられた、〇〇君(僕のこと)は凄いよ」

と褒められた

人から、特に好意や敬意を抱く人から褒められるとこの上なく嬉しい

だから、やる気も出る

それまでは、どちらかというと、ネガティブな仕事ぶりだった僕が、

少しだけポジティブに変われた瞬間だった

仕事への前向きな姿勢を褒めてもらった記憶

40年以上たった今でも脳裏をかすめる

 

先日、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」俵万智をみた

彼女が短歌と出会ったのは19歳

大学の講義だった

失恋の経験を歌にして、歌人でもある教授に見せると、

「君新しいね」

と褒められた

57577 31文字という制約の中に、途方もない自由を感じた

自分の居場所を見つけた

国語教師として勤めながら短歌を作り、

24歳で「サラダ記念日」を、34歳で「チョコレート革命」を出版した

シングルマザーとして還暦を迎えた2022年12月31日

50首をつくり新しい歌集として出版した

その中の一首

” 言葉から言葉つむがず 

  テーブルにアボカドの種芽吹くのを待つ ”

 

小説家で日本大学理事長の 林真理子 さん

若いころ、実の母親に、

「あなたは何も持っていない人間」

と繰り返し言われたという

支えになったのは、高校時代にかわいがってくれた担任の一言

「このクラスから有名人が出るとしたら林だな」

根拠が薄くても自分を信じられる気持ち

誰かに褒められた記憶が、辛い局面にいる人を救う

「私は先生のお墨付きだ」と自分を鼓舞し、

コピーライターとしての仕事や作家デビューに繋げたという

 

ノンフィクション作家の 野村進 さん

「高校2年の時に学校の在り方に関する不満を白紙の答案用紙に書いた。叱られると思ったら、「おまえ、文章、けっこうかけるじゃないか」と褒められた。先生のその一言がなければ、あれからどんな人生を歩んだことか。不安や焦燥で一杯の若者たちに、少しでも自信をもたらす言葉をかけたいと心のどこかでいつも願っている。」

日経新聞のコラムに書いた

 

聖徳太子を「せいとく・たこ」

と呼んだビリギャルが、

1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した

高校2年の夏に母親から勧めらて通い始めた塾で、

自分のことを褒めてくれて、

真剣に向き合ってくれる講師や同級生との出会いが、

変身のきっかけだったそうだ

 

豊かな人生を歩むには「やろうと思えばできるかも」

という、思い込み(勘違い?)も必要だろう

子どもの頃の自分に、今、何かアドバイスできるとしたら

「思い込み(勘違い?)にかけてみなよ」と言ってあげたい

 

学校でも職場でも家庭でも、みんな人を褒めなすぎだと感じる

厳しい態度をとって”ぎすぎす”するよりも、

優しく褒めることを心掛け、

出来るだけポジティブな雰囲気を、

いろんな場面で醸し出せたらと思う

 

ももの花 ~庭に咲く~