いつも笑顔でいい顔で

毎日を楽しく笑って過ごしたい

ひとり、桜を見て昔を懐かしむ

桜は散り始めがいい

朝日にきらめいてひらひらと落ちる

花びらを浴びながら

ゆっくりと桜並木を歩くのが好きだ

 

地元で有名な桜のある公園まで自転車を走らせた

午後1時30分に出発し、

1時間程、線路沿いの道を走った

公園は3年ぶりの桜祭り

芝生にシートを敷いた家族連れやカップルで賑わっていた

出店の数も殆どコロナ前に戻り、飲食用テーブル席も満席だった

 

この公園の突き当りには市営美術館がある

そこで、地元出身画家を特集した展覧会が開催されていた

画家の殆どが僕の出身高校の先輩達だったことが嬉しく、誇らしくもあった

よい絵を見ていると、身が引き締まる

心が洗われ、豊かになる気がする

 

公園をあとにし、川沿いの桜並木を自転車でゆっくり走る

すると、左前方に懐かしい図書館が目に入った

老朽化して、閉館されている

この図書館には思い出が一杯詰まっている

始めて利用したのは高校1年の時

半世紀近く前のことだけど

図書館の玄関先で、小学校4年時の担任の先生に偶然会い、挨拶したことを

今でもはっきりと覚えている

あの先生は、お元気だろうか

 

この街には、僕が通った高校もある

その頃、そして、社会人になってからもここにはよく足を運んだ

当時は個室(閲覧室?)も借りられ、

その狭い部屋で、

当時付き合っていた彼女に溜まった仕事を手伝ってもらたこともあった

大部屋の自習室は、昇任試験の勉強でよく使わせてもらった

子供がまだ小さく、自宅では勉強に集中できなかったから

 

この図書館を見ると、ペギー葉山の学生時代を思い出す

 

♪ つたの絡まるチャペルで祈りを捧げた日・・・・ 

 秋の日の図書館のノートとインクのにおい

 枯葉の散る窓辺

 学生時代 ♪

 

若く多感な時期のあの心のときめき、明るく爽やかな憧れ

そんなイメージ

遠いあの日の記憶が蘇る

 

図書館のすぐそばに、

就職後、初めての上司だった大先輩の戸建てがある

この方には、随分とお世話になった

社会人1年生の僕を優しく、厳しく育ててくれた

仕事は勿論のこと、社会人としての心構え、処世術なども教えてもらった

今の僕の基礎を作ってくれた人

生涯独身だった筈だ

もう90歳位にはなるだろう

僕が年賀状のやり取りをすべて辞めてしまったため

消息を確認できていない

お元気でお過ごしだろうか

天気のいい日の午後に雨戸が締まっていたことが少し気になる

 

こうやって、ひとり、ゆったりと桜を見ながら昔を振り返るのも悪くない

この街の図書館は、台風による川の氾濫で被害を受けて

数年前に別地に移転したとのこと

機会をみて、新しい図書館にも行ってみたいと思っている

 

散り始めた桜